皆さん、こんにちは。
東京都三鷹市・調布市を拠点に、地域密着で左官工事を手掛けている株式会社ワイズファクトリーです。
「モールテックスって、普通のモルタルと何が違うの?」「塗料の一種?」「水回りにも使えるって聞いたけど本当?」名前は見かけるけれど、実態はよくわからない。そんな方が多いのではないでしょうか。
モールテックスは、コンクリート調・モルタル調の落ち着いた質感をつくれる左官仕上げ材です。洗面台やキッチン、浴室、床、店舗のカウンターなど、デザインにこだわった空間で使われています。
ただし、塗れば誰でも同じ仕上がりになる材料ではありません。下地の状態、塗り重ね方、乾燥、研磨、保護剤の選び方。その一つひとつで、見た目も使い勝手も変わってきます。
この記事では、モールテックスがどんな材料で、どこに使われ、どんな点に気をつければ後悔しにくいのかを、左官の現場目線でお伝えします。
この記事で得られる3つのポイントは次の通りです。
- モールテックスはコンクリート調の質感をつくる左官仕上げ材。塗料とは別物
- 洗面・キッチン・浴室・床・店舗まで幅広く使えるが、場所ごとに注意点がある
- 仕上がりは職人の手仕事で決まる。だからこそ事前のイメージ共有が大事
目次
- モールテックスとは?まず知っておきたい基礎知識
- モールテックスが選ばれる理由 ― 無機質なのに、どこか温かい
- モールテックスはどんな場所に使われる?
- 知っておきたいデメリットと、後悔しやすいポイント
- モールテックスはDIYでできる?施工前に確認したいこと
- よくある質問
- まとめ
伝統から意匠まで、左官の手仕事を
私たちワイズファクトリーは東京都調布市を拠点に、土壁・漆喰といった伝統左官から、モールテックスのような意匠仕上げまで幅広く手掛けています。
私たちの仕事、少しだけのぞいてみませんか?
■ モールテックスとは?まず知っておきたい基礎知識
参考事例:東京都 コーポラティブハウス 左官工事
モールテックスは、ベルギーのBEAL(ビール)社がつくっている左官仕上げ材です。BEAL公式では、デザインコンクリートタイプの仕上げ材として紹介されており、薄い膜でありながら水を通しにくく、シャワー室・床・プール・階段・什器まで、屋内外を問わず施工できるとされています。
名前の響きから、モルタルや塗料の仲間を想像するかもしれません。でも、ローラーで色をのせていく塗料とはまったく違います。コテで薄く塗り重ね、質感や色の濃淡、コテ跡の表情をつくっていく。そこが塗料との決定的な違いです。
参照URL:Mortex(Beal International)
・モールテックスは「塗る」のではなく「コテで仕上げる」
「モールテックス 塗料」で検索する方もいますが、中身は塗料というより左官材です。
塗料は、表面に色や保護膜をのせるもの。対してモールテックスは、材料そのものをコテで重ね、厚みや柄、表情までつくり込んでいきます。施工マニュアルでも、プライマー→1層目→2層目→フレスコ塗り→研磨→保護剤と、いくつもの工程を踏むことが示されています。なかでも2層目は、最終的な柄を左右する大事な工程です。
ここがモールテックスの面白いところであり、難しいところでもあります。コテの当て方、押さえ方、重ね方、研磨の具合。職人の手つきと判断が、そのまま壁の表情に残ります。同じ色を選んでも、仕上がりがまったく同じになるとは限らない。それは欠点ではなく、手仕事ならではの個性です。
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■ モールテックスが選ばれる理由 ― 無機質なのに、どこか温かい
参考事例:東京都 店舗 内装工事
モールテックスがこれだけ支持される一番の理由は、その質感にあります。
コンクリートのような無機質さがありながら、冷たくなりすぎない。モルタル調の落ち着きがありながら、重くなりすぎない。この絶妙なバランスは、なかなか他の材料では出せません。
洗面台に使えばホテルのような上質さが出ますし、キッチンやカウンターに使えば空間がすっと引き締まります。タイルや木とも相性がよく、合わせる素材しだいで表情が変わるのも楽しいところです。
・目地が出ない、シームレスな仕上がり
タイルのような目地が出にくいのも、モールテックスの大きな魅力です。洗面まわりやカウンター、壁面を継ぎ目なく一枚で見せられるため、シンプルで上質な印象になります。掃除のときに目地の汚れを気にしなくていい、という実用面のメリットもあります。
・色も表情も、自分好みにつくれる
BEAL公式によると、白い粉に顔料を混ぜて着色し、塗り方を工夫することで好みの表情をつくれるとされています。色数は豊富で、同じ色でもコテづかいで濃淡や陰影が変わります。
自由度が高いぶん、完成イメージの共有はしっかりやっておきたいところ。小さなサンプルで見た色と、広い面に塗ったときの見え方は、けっこう印象が変わります。色だけでなく、艶感、コテ跡、ムラの出方、触り心地まで、サンプルで確かめておくと安心です。
参照URL:Mortex(Beal International)
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■ モールテックスはどんな場所に使われる?

参考事例:東京都 某所 店舗什器
モールテックスは、住宅から店舗まで幅広く使われています。代表的なのが、洗面台、キッチン、カウンター、壁、床、浴室まわり、そして店舗の什器です。場所によって向き合い方が変わるので、主な使いどころを見ていきましょう。
・洗面・キッチン・カウンター
洗面台に使うと、目地のないすっきりとした見た目になります。タイルのように継ぎ目が目立たないので、シンプルで上質な雰囲気に仕上がります。
キッチンやカウンターでは、空間の主役になりやすい存在です。木やステンレスと合わせると、やわらかさと無機質さのバランスがちょうどよくなります。ただしキッチンは油はねがつきもの。日々の拭き掃除を前提に、保護剤の仕様を決めておくと長くきれいに使えます。
・浴室・水回り
防水性のあるモールテックスは、浴室や水回りにも使えます。ただ、防水と「汚れがつかない」はイコールではありません。メンテナンス資料でも、浴室では水に含まれる石灰成分や石けん汚れが表面に残るため、定期的な手入れが必要だと説明されています。
「おしゃれだから」だけで水回りに採用すると、お手入れの手間でつまずきがちです。どのくらい水や石けんに触れる場所なのかまで考えて選ぶことが、満足度を左右します。
参照URL:メンテナンスガイド(Beal)
・床・店舗内装
床に使えば、継ぎ目のない広がりのある空間になります。店舗の内装なら、タイルや木とは一味違う、少し特別感のある空間を演出できます。ただし床や土間のように歩行や摩耗、防水性能が求められる場所では、施工マニュアルでもテクニカルレイヤーを2層重ねることが示されています。見た目だけでなく、使われ方に合った仕様で施工することが欠かせません。
■ 知っておきたいデメリットと、後悔しやすいポイント
ここまで魅力を中心にお伝えしてきましたが、いいところだけ見て決めると「思っていたのと違った」となりがちです。採用前に知っておきたい点を、正直にお話しします。
・色ムラ・コテ跡は「味」でもあり「好み」でもある
モールテックスには、色ムラやコテ跡が出ます。これは欠点というより、モールテックスらしさそのもの。とはいえ、工業製品のような均一さをイメージしていた方には、ムラが気になることもあります。
写真ではおしゃれに見えても、実際の空間では照明の当たり方や面積で印象が変わります。とくに広い壁や床ほど、コテ跡や濃淡が目に入りやすくなる。だからこそ、施工事例やサンプルで「リアルな見え方」を確かめてから決めるのがおすすめです。
・水回りやキッチンは、日々のお手入れが前提
モールテックスは水を通しにくい膜をつくりますが、汚れがまったくつかないわけではありません。メンテナンス資料でも、手入れの方法はどの汚れ防止剤を施したかで変わると説明されています。
キッチンなら油汚れ、洗面なら水染み、浴室ならカルキ汚れ。浴室では石けん汚れなどが残りやすく、最低でも週1回程度のお手入れが推奨されています。きれいを保つコツは、施工後の手入れ方法を先に知っておくことです。
・部分補修で「元通り」にするのは難しい
モールテックスは、コテ跡や濃淡まで含めてひとつの表情として仕上がります。そのため、傷や欠けを部分的に直しても、周囲とまったく同じ表情に揃えるのは簡単ではありません。長く使う場所だからこそ、この性質も知ったうえで選びたいところです。
参照URL:メンテナンスガイド(Beal)
ここまで読んで「うちの場合はどうだろう?」と感じた方は、無理に決めなくて大丈夫です。使う場所のイメージだけでも、お気軽にご相談ください。
■ モールテックスはDIYでできる?施工前に確認したいこと
「モールテックスって自分で施工できますか?」よくいただく質問です。
結論から言うと、小さなサンプルや小物で雰囲気を試すくらいなら、できなくはありません。ただ、洗面台・床・浴室・キッチンのように毎日使う場所となると、話は別です。
・小物なら試せる。でも住宅・店舗は別物
モールテックスは、塗れば完成する材料ではありません。下地の状態を見て、合うプライマーを選び、塗り厚を管理し、乾燥を見ながら工程を進め、最後に用途に合った保護をする。施工マニュアルでも、1層目を1mm厚で塗り、2層目を重ね、48時間ほど乾燥させてから研磨・保護剤塗布へ進む流れが示されています。
工程を並べてみるとわかる通り、「手軽に塗れるおしゃれ材料」ではなく、正しい段取りを理解して仕上げる材料です。逆に言えば、そこに左官の技術が活きてきます。下地を見極め、コテで表情をつくり、使う場所に合わせて仕上げる。モールテックスは、手仕事の奥深さがそのまま表れる材料なんです。
・施工前にこれだけは確認したい
採り入れる前に、まず確認したいのがサンプルです。色はもちろん、ムラ感、艶、触り心地、保護剤を塗ったあとの見え方まで見ておくと安心です。可能なら、過去の施工事例も合わせて確認しておきましょう。
次に、使う場所をはっきりさせること。洗面・浴室・キッチン・床では、求められる性能も注意点も変わります。水回りなら水・カルキ汚れ、キッチンなら油汚れと日常清掃、床なら摩耗や滑り。使われ方を共有しておくほど、仕上がりの満足度は上がります。
そして、施工後の手入れ方法も先に聞いておくこと。中性洗剤での洗浄や、保護剤に応じた定期的なケアの目安を把握しておけば、長くきれいに楽しめます。
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■ よくある質問
最後に、モールテックスについて読者からよく寄せられる疑問を3つお答えします。
・モールテックスは普通のモルタルと何が違うの?
見た目は似ていますが、性質が違います。一般的なモルタルが構造や下地づくりに使われるのに対し、モールテックスは薄く塗り重ねて意匠を仕上げる材料です。水を通しにくく、目地なしでシームレスに仕上げられる点も、普通のモルタルとは異なります。
・モールテックスはどんな色が選べますか?
BEAL公式では、白い粉に顔料を混ぜて着色する仕組みが紹介されており、色のバリエーションは豊富です。ただし同じ色でも、コテづかいや塗り方で濃淡や陰影が変わるため、サンプルで実際の見え方を確かめるのがおすすめです。
・興味はあるけれど、左官は未経験でも大丈夫?
はい、未経験から始める方はめずらしくありません。多くの左官会社では、一般左官の基礎を学びながら現場経験を積む流れが整っています。モールテックスのような意匠仕上げに関わりたい場合も、まずは基礎から。段階的に経験を積めば、こうした仕上げを任される場面も出てきます。
「左官っておもしろそうかも」と少しでも感じたら、まずは雰囲気を知るところからで大丈夫です。気軽にのぞいてみてください。
■ まとめ
モールテックスは、コンクリート調の美しい質感と、目地のないすっきりとした仕上がりが魅力の左官仕上げ材です。洗面台、キッチン、浴室、床、店舗カウンターまで、空間の印象を大きく変えてくれます。
一方で、色ムラやコテ跡、お手入れ、施工場所への向き・不向きを知らないままだと、完成後に「思っていたのと違う」と感じることも。大切なのは、見た目のおしゃれさだけで判断せず、下地から仕上げ、保護、メンテナンスまでまるごと考えることです。
そして、モールテックスの仕上がりを最後に左右するのは、職人の手仕事です。材料の性質を理解し、現場を見て、コテで表情をつくっていく。厚生労働省の職業情報でも、左官は下地から上塗りまで手作業で仕上げる仕事であり、素材や工法が多様化するなかでも手仕事ならではの味わいが見直されていると紹介されています。モールテックスは、まさにその技術が表れやすい材料といえます。
■未経験から左官職人になれるワイズファクトリーとは?
株式会社ワイズファクトリーは、東京都調布市を拠点に、一般左官から特殊左官まで幅広く手がけている会社です。土壁・漆喰・珪藻土・洗出し・版築といった伝統左官から、モールテックスのような意匠性の高い仕上げまで対応しており、戸建て住宅からお寺、店舗まで対応物件が広いのが特徴です。
未経験からの採用にも力を入れており、代表自身が東京都認定の職業訓練校「東左育」の現役講師を務めています。仕上げ未経験の状態から全国左官技能競技大会3位へ導いた指導実績もあり、「見て盗め」ではなく体系的に基礎から学べる環境が整っているのも弊社の魅力です。通学期間中も給与は全額支給されるため、学びながら着実にプロへの土台を築けます。
左官の仕事に興味はあるけれど、まだ知識が曖昧で不安、という段階でもまったく問題ありません。「やってみたいかも」と思えたら、まずは仕事の雰囲気やキャリアの流れを知るところから始めてみてください。ちょっとした疑問だけのご相談も大歓迎です。
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