【半年で、ここまで成長できる】だから、挑戦してみたくなる——仕上げ未経験の職人を全国3位に導いたワイズファクトリーの指導法とは?

毎日、同じ材料を同じように壁に塗る。昨日と変わらない作業を、今日も繰り返す。そんな日々の中で、ふと「このままで、自分は本当に一流の職人になれるのだろうか」と考える職人は少なくありません。


「見て覚えろ」という文化。なぜそうなるのか、その理論や本質を教わらないまま、ただ言われたことをこなす毎日。新しい技術や難しい仕上げに挑戦する機会もなく、5年後、10年後の自分の姿を想像すると、キャリアへの不安がよぎります。


左官職人としてのキャリアには、大きな分岐点が存在します。一つは、与えられた仕事をこなすだけの「作業員」で終わる道。もう一つは、自ら考え、技術を探求し、価値を創造できる本物の「職人」になる道です。


もしあなたが今、自身の成長について真剣に考えているのなら、この記事は一つのヒントになるかもしれません。この記事では、経験ゼロの職人が、ある指導者との出会いを経て、わずか半年で日本最高峰の舞台に立ち、周囲を驚かせた結果を残すまでの挑戦の記録をお伝えします。


それは、あなたの未来がどう変わる可能性があるのか、その一つの実例となる物語です。


【目次】

- すべての職人が目指す、半世紀の歴史を持つ頂点

- 勝利への方程式。代表が語る「育成の設計図」

- 「職人の目」へ。三位一体で掴んだ、栄光への道のり

- 「教育制度あり」を信じてはいけない。成長できる会社を見抜く、たった2つの基準

- あなたの成長に、本気で向き合う。私たちが「結果」で応えられる理由

- 半年後のあなたを、想像してほしい。




■ 左官職人が目指す、半世紀の歴史を持つ頂点

物語の舞台となるのは、全国左官技能競技大会 。多くの職人が、目標とする場所です。


この大会の歴史は古く、始まったのは1963年。半世紀以上にわたり、日本の左官技術の発展と継承を支え続けてきました。その権威は高く、国土交通省や厚生労働省などが後援に名を連ね 、優勝者にはものづくりの最高栄誉の一つである内閣総理大臣賞が授与されます 。これは、単なる業界イベントではなく、国家レベルでその技能が認められる場なのです。


この大会が左官技能の最高峰と呼ばれるのには、明確な理由があります。若手技能者の育成を主眼とする技能五輪全国大会とは異なり、この大会には一切の年齢制限がありません。20代の若き才能が、円熟の技を持つ「現代の名工」クラスのベテランに挑むことも可能な、世代を超えた真剣勝負の舞台。だからこそ、ここで得られる評価には、非常に大きな価値があるのです。


記念すべき第50回大会の課題テーマは「左官神門」 。これは浅草寺の雷門をモチーフとしたもので、1400年にわたり継承されてきた左官の伝統技術が凝縮された、極めて高度な課題です 。


実技試験は3日間をかけて行われ 、5つの工程に分けられています 。その内容は、漆喰、土壁、洗い出しといった伝統的な技法から、リシンかき落とし、現代的なパターン仕上げまで、多岐にわたる技術の融合を求めるものです 。単一の技術の熟練度だけでなく、多様な仕上げを制限時間内に正確に収める、極めて高いレベルの総合力が試されます。


参考:第50回全国左官技能競技大会


そんな、日本中の職人が目標とする最高峰の舞台で、ある難易度の高い挑戦が始まりました。




■ 勝利への方程式。代表が語る「育成の設計図」

※左:西谷工業 株式会社:片岡選手

※右:株式会社 ワイズファクトリー:齋藤代表


この挑戦の主役は、埼玉県代表として出場した西谷工業株式会社の片岡孝史選手。そして、その指導という大役を担ったのが、株式会社ワイズファクトリーの代表、齋藤幸洋でした。齋藤代表にとって、この大会のコーチングは今回が初めての経験でした。


片岡選手は、仕上げの経験が全くない状態からのスタートでした。齋藤代表は、初めて顔を合わせた時の状況をこう振り返ります。


「持ってきたコテ見て、『あ、これ大変だな』と思ったんですよ。まず良いコテもないし、そもそも普段の仕事で漆喰を扱っていないから、どのコテで塗ればいいかも分かってない状態だったので。」


経験ゼロの選手を、初めての指導で全国の舞台へ。それは非常に難易度の高い挑戦だったからこそ、齋藤代表は感情論ではなく、冷静な分析から指導方針を設計しました。


「普通に名工みたいに上手くさせるためには半年間じゃ絶対無理ですね。だから、とにかく大会に適用できるようにするしかないなと思っていました。色々こう奥深い部分は省いて、要は無駄なことは教えないことが最優先だと思いましたね。」


限られた時間で結果を出すための戦略は、徹底した「選択と集中」。特に、事前に集めた情報から「寸法」の精度が評価を大きく左右すると分析していました。


「見栄えより、うちは寸法を重視しました。あと時間内に絶対間に合わせるやり方でやったんです。寸法が狂うと減点が大きいからそこは徹底的に教えました。」


また、技術指導だけでなく、選手のモチベーション管理にも独自のメソッドがありました。


「片岡君が練習に飽きさせないよう工程を組んだんですよ。1週間はこの練習だけ、次の2週間はこれだけ、というように。メンタルが落ち込んできたなと思ったら『休みなさい』って休ませる。何をするにもメリハリが大事だと思っているので。」


これは、ただ技術を教えるのではなく、いかにして半年間で選手を「勝てる状態」に持っていくかという、齋藤代表独自の「育成の設計図」でした。その設計図は、選手の「メンタルが強くない」という特性を考慮し、最初から多くのことをやらせず、「1週間は置き引きだけ」のように期間を区切って一つの課題に集中させる緻密な工程表として実行されたのです。


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■ 「職人の目」へ。三位一体で掴んだ、栄光への道のり

※実際に使用されたスケジュール表


その「育成の設計図」通りに進む訓練は、技術だけでなく、職人としての意識も変えていきました。4月から始まった工程表は、基礎となる中塗りや置き引きの反復練習から始まり、月を追うごとに漆喰、土壁、洗い出しといった専門的な技術へと進んでいきました。


もちろん、この挑戦の成功は、齋藤代表の指導力だけによるものではありません。選手が所属する西谷工業株式会社もまた、片岡選手が半年間練習に専念できる環境を全面的に整備。倉庫内には大会課題の架台を2つ作り、交互に練習できる体制を整え、さらにサポート役として1名を専属でつけるなど、万全のバックアップ体制を敷きました。


西谷工業株式会社様のHPはこちら!


この設計図通りに進む訓練は、技術だけでなく、職人としての意識も変えていきました。齋藤代表は、無駄なゴミを出さず、常に現場を綺麗に保つという、職人としての心構えも指導しました。当初は受け身だった選手の中に、少しずつ主体性が芽生えていく。齋藤代表は、その変化を指導者として楽しんでいたと語ります。


※西谷工業 株式会社:片岡選手


「目が変わりましたね、最後の方。そういう職人の目になってきて。最初は『会社に出ろって言われたから出ますよ』みたいな雰囲気だったんだけど、だんだん『大会ひっくり返してやる』みたいな顔つきになってきて。ああいう成長とか見て楽しかったですね。」


盆明けから始まった通し練習を経て、迎えた大会当日。半年間の全てをぶつけた結果は、設計図の効果を何よりも雄弁に物語っていました。重点的に練習した「引き」の時点では1位となり、指導された通り、石膏のロスは他の選手と比べて圧倒的に少なかったのです。


そして、最終結果は、指導した齋藤代表自身の予想を上回るものでした。


「3位はびっくりしましたね。目標は6位までに入れれば、と思ってたから。」


漆喰を初めて触る職人が、わずか半年で、3位。その結果が出た瞬間、会場にいた関係者の誰もが胸を熱くしたそうです。


「大会が終わった時はもう、みんなうるうるですよ。あいつがやりきったよ、みたいな感じで。(笑)」


齋藤代表の指導、片岡選手自身の努力、そして彼を支え抜いた西谷工業。この三位一体の連携があったからこそ、この快挙は成し遂げられました。それは、緻密な戦略とチーム全員の努力が、最高の結果として実を結んだ瞬間でした。


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■ 「教育制度あり」はもちろん、成長できる会社を見抜く、たった2つの基準

※西谷工業 株式会社:片岡選手


今回の物語は、特別な才能を持つ一人の職人が起こした奇跡、というわけではありません。これは、「正しい環境」と「本気の指導者」がいれば、人は短期間で劇的に成長できるという証明です。


転職活動をしていると、「教育制度あり」「研修充実」といった言葉をよく見かけます。しかし、その言葉を鵜呑みにして入社したものの、実際には名ばかりの制度で、結局は「見て覚えろ」の毎日だった、という話は少なくありません。


では、本当に成長できる会社をどうやって見抜けばいいのか。基準は、実はシンプルです。


一つ目は、指導者自身に、誰もが認める実績と、何より「人を育てることへの情熱」があるか。肩書や役職ではなく、その人が持つ技術と人間性こそが、あなたの成長の角度を決めます。


二つ目は、育成の成果が、客観的な事実として証明されているか。「若手が活躍中」といった曖昧な言葉ではなく、今回の「大会3位入賞」のような、誰もが納得する具体的な結果を示せるかどうかです。


この2つの基準を持って企業を見極めることが、後悔しないための、そしてあなたの職人人生を本気で考える上での、重要な軸となるはずです。


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■ あなたの成長に、本気で向き合う。私たちが「結果」で応えられる理由

※右:西谷工業 株式会社:代表取締役 柳田様

※左:株式会社 ワイズファクトリー:齋藤代表


「成長できる会社を見抜く2つの基準」は、そのままワイズファクトリーが最も大切にしている価値観でもあります。


基準の一つ目、「指導者の実績と情熱」。ワイズファクトリーでは、代表の齋藤自らが若手の指導にあたります。代表自身が全国を渡り歩いた一流の職人であると同時に、今回のコーチングが証明したように、人の成長に本気で向き合う情熱を持っています。


齋藤代表は、コーチングの期間を「気持ちが休まらないんですよ」と語る一方で、その成果をこう表現しました。


「自分がやったわけじゃないけど、達成感はすごいあったから。なんかすごい大変な現場収めた時みたいな感覚に久々になったから嬉しかったですね。」


この言葉に、人を育てることへの苦労と、それを上回る喜びを感じる齊藤代表の人間性が表れています。


基準の二つ目、「客観的な育成結果」。これも、あなたがここまで読んできた物語そのものです。仕上げ経験ゼロの職人を大会3位に導いたという事実は、ワイズファクトリーの育成メソッドが正しいことを何よりも雄弁に物語っています。


今回のコーチングは特別な事例ですが、その根底にある「一人ひとりの特性を見抜き、本気で向き合い、結果を出す」という姿勢は、日常の仕事となんら変わりありません。


もしあなたが自身の可能性を試し、本物の技術を身につけたいと考えるなら、まずは一度、私たちの話を直接聞きに来てください。


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■ 半年後のあなたを、想像してほしい。

この記事で伝えてきた物語は、半年という期間が、一人の職人のキャリアをいかに大きく変える可能性があるかを示しています。成長の角度は、誰と働き、どんな環境に身を置くかで決まります。


齋藤代表は、今回の経験を振り返って、最後にこう言いました。


「半年間休んだ気がしなくてその時は2度とやりたくないって思いましたけど…3年経ったらまたやりたくなるかもしれないですね。(笑)」


この言葉は、代表の職人育成への情熱が、決して一過性のものではないことを示しています。ワイズファクトリーの挑戦は、これからも続きます。


次は、あなたの番です。半年後のあなたが、今とは違う「職人の目」になっている姿を、私たちは楽しみにしています。


あなたの挑戦を、心から待っています。


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