左官屋が使う材料はどんなものがある?一例と素材の特徴をご紹介

皆さんこんにちは!東京都調布市を中心に全国各地にて一般左官、特殊左官を軸に建築工事一式を幅広く行っている株式会社ワイズファクトリーです。


昨今は左官の持つ魅力「自然素材」「機能性」「手仕事による趣」などが注目され、左官職人のみならず、一般の方もご自身で左官アートに挑戦される方が増え、広く認知されていると感じます。


今回はそんな左官屋さんが使う「素材」の一例を紹介していきたいと思います。



■左官素材の成り立ち



古くから家屋に使われている左官素材には、使用する土地の近辺で産出される土や石灰などが使われてきました。土は土壁に使用され、石灰は城郭建築や漆喰塗に使用されます。輸送手段の乏しかった時代は採取できる素材によって地域ごとに建築様式も異なっていましたが、明治以降、輸送手段が発達するとさまざまな左官素材を全国で手に入れられるようになり、多くの左官素材がどの地域でも手に入れられるようになりました。




■左官材料の種類と特徴



引用元:施工事例「岐阜県 蔵 修繕工事」より


左官素材は、土と石灰に限りません。セメント系素材や石灰、貝灰などさまざまな素材があり、特徴も異なります。ここでは、左官材料の種類や特徴を詳しくみていきましょう。


・セメント系結合材


一口にセメント系結合材といっても、「普通ポルトランドセメント」「白色ポルトランドセメント」「早強ポルトラドセメント」「既調合セメントモルタル」の4種類が盛んに使用される代表的な種類といえるでしょう。実際にはさらに多くの種類があり、使用目的や用途に合わせて選ぶことになります。セメントの主成分は石灰であり、一般的に使用される左官素材です。


・普通ポルトランドセメント


普通ポルトランドセメントは、水中でも固まるセメントの代表的なもののひとつで、日本でも広く使用されています。その特徴は、汎用性が高い点であり、石灰石・粘土・鉱滓などを使用して作成します。


・白色ポルトランドセメント


白色ポルトランドセメントは、いわゆるホワイトセメントとも呼ばれるセメントであり、セメントが灰色になる原因の酸化鉄を0.3%以下に抑えることで作られるセメントです。基本的な部分は普通ポルトランドセメントと変わりありませんが、顔料を加えることでさまざまな色にできる点が特徴といえるでしょう。


・早強ポルトラドセメント


早強ポルトラドセメントは、普通ポルトランドセメントよりも固まるのが早い点が特徴として挙げられます。冬期や寒冷地など、気温が低い場所でも問題なく固まるため、どうしても冬場に工事をしなければならないといった時でも使えます。

ただし、早く固まるということはその分収縮が大きいということでもあり、割れなどが起こる可能性が高くなってしまうので注意が必要です。


・既調合セメントモルタル


既調合セメントモルタルは、水練りだけで使用できるセメントであり、その特徴は接着力が強いという点です。また、収縮が小さく弾力性があるため、セメントにありがちなクラックなどは極力少なく抑えられます。重量が軽い点も特徴であり、運搬や作業がしやすいため、さまざまな場面で使用されています。耐火性に優れていて、不燃性であるため、たとえ燃えても有毒ガスが発生しない点もポイントといえるでしょう。


・石灰系結合材料



引用元:施工事例「神奈川県 個人宅 仕上げ工事」より


石灰系結合材料は主に漆喰の材料として使用されていますが、左官素材だけでもいくつかの種類があります。代表的な素材は、「消石灰」「貝灰」「生石灰クリーム」などがあります。石灰系結合材料の原料のほとんどは自然素材であり、使用しても人に害をなすような成分は含まれていません。ここでは、石灰系結合素材について詳しくみていきましょう。


・消石灰


消石灰は、古来より建築素材として使用されてきた素材です。特徴は湿気を吸収する点です。消石灰の主成分は水酸化カルシウムであり、消臭・抗菌・抗ウィルスといった作用があるのが特徴で、漆喰にするのに向いています。


・貝灰


貝灰は、その名の通り貝殻を焼いて作った消石灰のことを指します。石灰から作る消石灰よりも貝灰の方が手に入れやすいことから、古来から漆喰の材料として広く使用されてきました。貝灰と消石灰を合わせて使用することによってクラックを少なくできる利点があるものの、現在では貝灰を生産している地域はあまり残っていません。


・生石灰クリーム


生石灰クリームは、石灰岩を焼いた後でできる生石灰に水を加えてクリーム状にしたものです。生石灰クリームは左官素材として特別使い勝手が良いわけではありませんが、日の光を柔らかく反射するのが特徴です。不燃性であり、消臭・抗菌などの効果があります。


・せっこう系結合材料


左官素材には、せっこう系結合材料もあります。せっこう系結合材料とは、「ボード用せっこうプラスター」「ボード用既調合せっこうプラスター」「薄塗り用せっこうプラスター」などがあります。共通する特徴としては、セメントと同じ水硬性という点ですが、セメントとは異なり、クラックができない点が特徴といえるでしょう。弱酸性であり、せっこう系結合材料の上に漆喰や京壁などのさまざまな仕上げを選択して行える点も特徴といえるでしょう。


・粘土系結合材料


粘土系結合材料の特徴は、乾燥収縮が大きい点です。砂を配合することで収縮が小さくなるのも特徴といえるでしょう。また、乾燥後には壁土に強度を与えてくれるのも粘土系結合材料ならではの特徴といえます。粘土系結合材料で作られた壁土には、調湿効果が期待できるため、室内を快適に保つだけでなく、カビやダニの発生も抑制できます。


・鉱物性繊維質・粒状物


鉱物性繊維質・粒状物には、軽量という特徴があります。そのため、天井などにも使用しやすい点がポイントです。また、断熱性・吸音性に優れているので、湿気の吸放湿、VOCの吸着なども可能です。また、燃えにくい性質もあるため、鉱物性繊維質・粒状物を壁や天井に塗ることで不燃化が可能です。


・そのほかの素材


上記以外にも真竹・男竹・女竹などの木舞に使用される素材、塗り壁材料に弾性力を持たせることが可能なすさ類、糊・混和材料、壁に着色をするための顔料、細骨材・丸石・砕石といった素材があります。左官素材は、天然素材に限ってみても多彩で、使用する素材によってできあがる壁にも違いが出るでしょう。ただし、環境に合った素材などもあるため、どの素材を使用したいのかは職人とよく話し合う必要があります。




■左官には無限の可能性と魅力があります



左官に使用できる素材は多く、そのすべてを特徴も含めて把握するのは困難です。そのため、左官職人になるには、長い年月が必要になります。


なぜなら、素材の種類が多すぎて、なかなかすべてを覚えられないからです。左官職人として環境や家に合った施工をするためには、知識が必要ですが、直感的に選べるようになるためにも経験も多く積む必要があります。


株式会社ワイズファクトリーでは、左官職人として一緒に働ける仲間を募集しています。株式会社ワイズファクトリーは、時間のかかる左官職人の育成に関しても、じっくりと腰を据えて一生モノのスキルが身にけられるようにしています。


左官職人になるためにさまざまな研修が実施され、研修を受けることで左官職人に必要な知識を身につけられるのもポイントです。

勤務時間は8時〜17時となっていて、午前・午後合わせて2時間の休憩時間が確保できます。1日7時間労働が基本であり、福利厚生もしっかりしています。


年3回の賞与があるのはもちろん、経験者で知識が豊富にあるなら、給与にもしっかり反映できるので、これまでの経験が無駄になることはありません。

建設業界で手に職をつけたいと望んでいるなら、まずは一度ワイズファクトリーにご相談ください。左官という伝統技術を継承することで、お客様の理想を共にかなえられるでしょう。やる気のある方はぜひ、お問い合わせください。


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