皆さんこんにちは。東京都調布市を拠点として、全国で左官工事をメインに手がけている株式会社ワイズファクトリーです。
さて本日は、左官職人の仕事を紹介しながら、近年注目を集めている左官アートについて説明していきます。左官アートは高い技術力を元に制作される芸術性の高い施工です。どのようなものか詳しく見てみましょう。
■そもそも左官工法の特徴とは?
(東京都 某店舗 仕上げ工事より:https://www.ys-sakan.jp/gallery/store/27773)
・どこまでも滑らかに、無限大の表現ができるのが左官仕上げ工法です
まず左官の説明ですが、建物の壁・床・土塀などにコテを使って壁材を塗っていく仕事です。
左官工法は損傷した断面にコテを使って断面修復材を塗っていく工法になります。損傷している箇所がそれほど大きくない場合や点在している場合によく用いられる工法です。
特徴は、継ぎ目のないモノリシック(一体的)な仕上げができること。クロス仕上げなどのように目地や継ぎ目が生じません。
狭い範囲はもちろん大きな範囲も熟練の職人による左官工法により、複雑なレリーフや模様の塑造、曲面壁など「ただの壁」とは一線を画す仕上げを施すことが可能です。
左官工法の展伸性と可塑性は独特なものであり、他の工法では代用できません。
伝統工法をアレンジして現代風に適用させ、素材も変化させ、膨らみのある表現にすることも可能です。消石灰を結合材とし、糊とすさを混入して漆喰にしたり、骨材を混入して砂漆喰にしたり、骨材の材質、粒径、加入量を変化させたさまざまな砂漆喰をつくったりと、同じ漆喰でもレパートリーが広くなっています。顔料を変えれば、色彩も豊かになります。
塗られた壁に刷毛、木ゴテ、発泡スチロールなどでテクスチャーをつくると、多種多様な表情を生み出し、無限大の可能性も広がります。
この表現の多様性は左官工法ならではのもの。左官職人にとっては醍醐味といえ、仕事のやりがいを大きく感じる部分です。さらに、完成した壁面には防火・調湿機能もあり、機能面でも優れています。
■左官アートってどんなもの?
左官職人がつくる左官アートについて説明しましょう。
左官アートは熟練した左官職人が高い技術力を駆使し、制作する芸術性の高い建築物のこと。その優れた技法に注目が集まっています。
塗壁にコテを用いて描く造形や装飾には長い歴史があります。最近始まったものではなく、日本の伝統建築物で用いられてきた手法なのです。その技法が脈々と受け継がれ、磨かれることにより極上のアートにまで成長していきました。左官アートは内外から高い評価も受ける建築物なのです。
・左官アートの特徴
左官アートの特徴は、身体に優しい自然素材を使いながら、緻密な造形を施していくこと。
職人が長年の経験と研鑽により磨いてきた高度な技術でつくられた造形はまさに芸術作品です。繊細で美しく独特、固定観念にはとらわれず、特別な感性で仕上げられています。世界でも類例のない日本独自のアートといえるでしょう。
左官アートは手作業で時間も手間もかけながら制作されています。その素晴らしい制作物は多くの人が鑑賞するところでもあります。高級ホテルやマンションのエントランスなどにも用いられ、建築と芸術の融合作品として注目を集めています。
・左官アートの歴史
左官アートの歴史を振り返ってみましょう。
左官アートは日本の伝統技術でもあり、古くからさまざまな場所で実践されてきました。
例えば、兵庫県姫路市にある姫路城。国宝や重要文化財にも指定されているお城ですが、しらさぎが羽を広げたような美しい佇まいから白鷺城とも呼ばれています。
その姫路城の特徴の1つが白漆喰総塗籠造りの鮮やかな白の城壁。白漆喰が施された城壁は左官アート職人だからこそなしえた芸術作品です。
お城以外でも、茶室や蔵などの日本建築物にも左官アートが残っていて、古き時代の美しさを受け継いでいます。土蔵や神社、仏閣においても江戸末期から明治にかけて左官アート職人による装飾が行われました。
左官技能士である挟土秀平氏が手掛けたNHK連続ドラマ「真田丸」の題字も有名です。左官アートの存在が大きく世に知らしめられる機会にもなりました。
■一時減少が危ぶまれた左官、その変化と未来
一時期左官職人が減少し、左官という伝統技術が消滅してしまう危険性もありましたが、近年はその歴史や伝統のみならず、天然素材を使用した機能性、職人の手仕事によって生み出される唯一無二の個性に注目が集まるようになりました。
結果として、優れた技能を身につけた左官職人はより輝ける時代になり、自身の修練により活躍の場を広げていけるようになっています。
左官は人が仕上げる仕事で、機械では代用できません。それだけ繊細な仕事であり、大変さもありますが、自らが生み出す唯一無二の作品は何にも代え難い誇りと楽しさを感じることができます。
これから左官を目指す人の道のりは平坦ではないかもしれませんが、自身の努力次第でいくらでも明るい未来が切り拓いていけます。
・左官職人が手掛ける「塗壁」人気の秘密
左官とは歴史と伝統のある仕事で、起源は縄文時代にまで遡ると言われております。
塗り壁というと「田舎のおばあちゃんの家の壁?」というくらい、現代では馴染みは薄くなっているかも知れません。最近の家の内装は、ビニールの壁紙が主流になっており、ビニールクロスは安価で施工も簡単なので、取り入れやすいのがメリット。そのせいか、塗り壁が縁遠い存在になってしまいました。
ところが、ここへ来て塗り壁に新たに注目しようという動きがあります。その理由は機能性。塗り壁には室内の湿度を調節してくれる機能をはじめ、天然素材を使用することで生み出される様々な機能がある為です。
湿度の高い夏は、塗り壁が湿気を吸収し、さらりとした涼しい室内環境を実現。湿度の低い冬は、塗り壁の中の水分が放出され、乾燥を防ぎます。
そんな湿度調節機能を示す例もあります。ある大浴場のケースですが、脱衣場の壁と天井を塗り壁にしたそうです。その結果、常時80%以上あった湿度が、1カ月で50%以下に下がったとのこと。
ビニールクロスは安価で扱いやすいので現代の建築物でよく取り入れられていますが、欠点があり、水に弱くカビも生えやすいです。
その点、塗り壁の素材の1つである珪藻土は湿気を吸収するだけでなく、身体に害があるとされるホルムアルデヒドを吸着する作用もあります。ビニールクロスにはない効果や機能があるということであり、それが今改めて注目される理由の1つになっています。
・建築業界の未来における左官の役割
建物の芸術性と耐久性、機能性を求める動きが強まるのに合わせ、左官の需要は今後も増加していくことが予想されます。ただ、業界全体では、左官職人の人手不足が問題になっており、人材確保の取り組みが課題となっています。
弊社としても、これからを担う若手の方々を迎えるにあたって、「教育制度」「評価制度」「給与や待遇」を整備し、安心して未経験のキャリアをスタートできる環境が整っています。
現代の建築トレンドの変化により、左官の役割も変化し、これまで以上に外装や内装のデザインが多様化、建築物の一部としての芸術性や個性を求めるようになってきました。
これから左官職人になる方々は、時代の変化やトレンドを掴みながら、目の前のお客様の「理想」を形にする能力を磨き続けていく努力を求められていくことでしょう。
■未経験から左官職人になれるワイズファクトリーとは?
株式会社ワイズファクトリーでは、左官職人として一緒に働いてくれる仲間を大募集しています。私たちは、一般的な左官から特殊な左官まで幅広く対応し、未経験から多くの左官職人を育てている会社です。
研修内容は、どれも一人前の左官職人になるために考え抜かれたものです。左官の仕事は、日々の努力や探求が欠かせません。私たちは「躍進し続ける」をテーマに、技術を磨き続けています。
勤務時間は8時〜17時で、昼食と午前・午後に合わせて2時間の休憩をとり、1日7時間労働です。
基本的に土日休みで、GWやお盆、年末年始の休みも気兼ねなくとれるので、家族との時間をしっかり確保できます。福利厚生や年3回の賞与もあり、安心して働ける環境です。
経験者の方は給与にしっかり反映します。
建設業界で手に職をつけたい方、今のキャリアに悩んでいる方は、ぜひワイズファクトリーにお気軽にご連絡ください。
左官という伝統技術を継承しながらセンスを磨き、お客様の理想を一緒にかなえていきましょう。