全2回にでお届けしている株式会社ワイズファクトリー
代表取締役:齋藤 幸洋へのインタビュー。
第2回のテーマは代表取締役齋藤が考える「左官の可能性と未来」です。
弊社代表の齋藤がこの事業にかける想いをお届けします。
「左官」という職業で今後キャリアを築いていこうとお考えの方は是非最後までご覧ください。
前回のインタビュー内容はこちらからご確認ください。
Q.前回は、ワイズファクトリー設立の経緯やビジョンをお話いただきました。
今回はさらに深掘りして、左官の魅力や働き方についておうかがいしたいと思います。
具体的な話になりますが、福利厚生や給与などは、どのような方針を取られているのでしょう。
前回は、建築業界がブラックだったという話をしましたね。
たしかに私が会社を興した時も、福利厚生という言葉はありませんでした。
ただ、それがそもそもおかしいのですね。
左官の仕事は、海外では非常にリスペクトされているんです。
ですので、左官職人の社会的地位をもっと高めたいという思いがあります。
給料も然り。
うちではボーナスもサラリーマン並みに出していますし、働いた分はしっかり対価を払う。
福利厚生もきちんと体制を整えています。
加えて今は、こんな風にしたら社員が喜ぶんじゃないか……と話し合いながら、一つひとつ取り組みを進めています。
Q.こうした取り組みは、会社に体力がないとできないことではないでしょうか。
やはり、総合力があるというのが強みですね。
ワイズファクトリーはキャパシティが広く、工期内を守ることにも定評がある。
だからといって、安請け合いはしないんです。
見積もりの段階で「高いね」と、断られることもありますよ。
ただ、それはそれでいいと思っていて。
仕事のクオリティには自信があるし、左官屋としての志もある。
対価に見合った仕事をするというのが、モットーです。
Q.ちなみにワイズファクトリーで活躍されている社員さんたちは、どんなことがきっかけで入社したんですか?
求人情報はコチラ
求人経由だけでなく、人伝てで、ということも多いですね。
業界内でうちの噂を聞いて入りたい、と来た子もいます。
あとは私が出ているyoutubeを見て志望した、という若手も(笑)。
Q.社員さんの年齢層はどのような構成なのでしょうか?
メインは30〜40代と、左官業界にしては若い社員が多いと思います。
ですので、前回語ったように、次は20代の人を育ててみたい(笑)。
また専属外注で60代の方がいますが、業界内では知る人ぞ知る……という存在のベテランです。
技術を習得するには、もってこいの会社だと思いますよ。
Q.左官業界そのものは、今、どのような状況に置かれているのでしょう?業界を取り巻く変化について、教えてください。
引用元:施工事例「埼玉県 社寺 鐘楼堂 左官工事」より
左官は、日本の建築にとって、なくてはならない大切な技術であり、文化でもあります。
それが戦後になって新建材が登場して、ひとたび、すたれかけてしまっていた。
私がこの業界に入った頃は、左官という名称を知らない人もいたくらいです。
それが一転、最近はまた左官が注目を浴びるようになりました。
左官そのものの知名度が高くなり、おしゃれ、というイメージも定着していますよね。
一時期、壁といえばクロスが主流だったことを考えると驚くべき変化です。
Q.業界自体の門戸も広くなった印象です。
最近は、女性の左官職人さんも活躍するようになりました。
もちろんワイズファクトリーも、やる気があれば女性も歓迎します。
うちは少数精鋭で、みんながキビキビと働くので、基礎体力は必要ですが。
重い資材もコツをつかめば、無駄な力を使わずに済みますよ。
Q.左官があらためて脚光を浴びるようになった背景には、何があるのでしょう?
引用元:施工事例「東京都 T様 内装仕上工事」より
漆喰や珪藻土のような自然素材の機能が見直され、エンドユーザー(住まい手)からのニーズも高まっていますよね。
また建築家やハウスメーカーが、左官に対する理解を深めた、ということもあるでしょう。
たとえば左官特有の色のムラや、白華(はっか:モルタルなどに発生する白い綿状の斑点)も、左官だから起こる現象だとわかってくれる方が増えてきた。
白華にしてもひと昔前は嫌われていたものですが、今ではあえて白華を発生させて、デザイン性をアピールする建材も登場しているくらいです。
それに左官壁は、主張しすぎないけれどもあたたかみがあって、心地よい。
ベタッとした塗装の壁とは異なり、光の反射もやわらかいんですね。
もちろん要望によっては、アーティスティックな壁を仕上げることもできますよ。
Q.その場合は、どのように打ち合わせをして具現化するのでしょうか。
まずはイメージを擦り合わせて、素材からつくることから始めます。
骨材などの配合を変えてテクスチュアをアレンジしたり、調色をしてオリジナルの土を調合。
さらにコテの種類や動かし方で、オンリーワンの表情をつけるんです。
そして実際にサンプル(塗り見本)をつくって提案して、ああじゃないこうじゃない……と打ち合わせを重ねるのですが、このつくる過程も楽しいのですね。
Q.左官の世界は奥深いですね……!
そう、しかも昔は、道具も材料も乏しいにもかかわらず、驚くべき表現にチャレンジしていました。
先人たちの仕事には、敬意の念しかありません。
個人的には明治期の左官が好きですね。
伝統的な左官技術を継承しつつ、セメントが入ってきて表現の幅が広がって、遊び心が見られる時代。
聚楽壁に鉄粉を混ぜる「蛍壁」も好きな左官壁の一つです。
鉄粉が時間とともに錆びて、蛍のように黒くなったり白くなったりするんです。
ね? 左官って面白いでしょう。
Q.伝統なのに、驚くほどモダン。創造力と美意識にあふれています。
引用元:施工事例「東京都 某保育園 左官工事」より
左官には、100点、という正解がないのですね。
言い替えれば、到達点がないから現状に満足せずに、常に先を追い求めることができる。
探究心の強い人や、自分の世界を広げたいという人に向いていると思います。
左官って、ほんとうに自由なんです。
土そのものの性質も土地ごとに違えば、仕上げ方の作法も異なり、地域性が如実にあらわれます。
こうして左官は風土と響き合いながら、日本の風景をつくってきたのですね。
日本の左官は、世界で類を見ないほど歴史が長く、遡れば竪穴式住居も左官と言えます。
先人たちが培ってきた技術を、私の先輩にあたる世代が絶やさず魅力を発信して、左官の復権の兆しが見えた。
こうしたスピリットを私たちも引き継いで、伝統を守りつつ、新しい表現にチャレンジしたいと思っています。
左官は実に奥が深く、しかも、一生続けられる仕事です。
その身に技術を宿したい。創造的な仕事に携わりたい。
こんな風に考える若い方たちと、一緒に左官を盛り上げていきたいですね。
いかがでしたでしょうか。弊社代表・齋藤 幸洋へのインタビューを2回に渡ってお送りしてきましたが、左官の世界は実に奥深く、「伝統」と「革新」が共存しながら今なお進化を続けています。
「左官職人」「左官アーティスト」など昨今では呼ばれ方も増えましたが、基本となる知識や技術があってこそです。
基本から応用、変わり種まで多種多様な「左官」に触れることができる、株式会社ワイズファクトリーで是非一緒に新しい「左官」を創り上げていきましょう!
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